がんとつきあう
専門家によるケア
すべてを背負い込まず相談しよう
がんと診断されると、がんやがんの治療に関する情報の調べ方、主治医から説明を受けたけれどもよくわからなかった、治療にかかる費用が心配、仕事とはどうすればいいのか、退院後は何に気をつければいいのか、再発を予防するために注意すること、家族や周囲の人とのつき合い方など、患者さんも家族も、不安や悩みをたくさん抱えることになります。こんなとき、一人で、または家族内で抱え込んでしまうと、うまく問題解決ができず、ストレスを抱えてしまうことがあります。そうならないよう、周囲の人に相談して、余計なストレスを背負い込まないようにすることが大切です。主治医とのコミュニケーションがうまくいかないときには看護師さんに相談してみましょう。患者さんの経験談で、医師と患者さんとの間を上手につないでくれるのは看護師さんだったいう話を耳にします。
また、大きな病院であればソーシャルワーカーが常駐していることがあります。ソーシャルワーカーは社会生活で困っていることや、悩みなどの相談に対応し、それに対する知識や情報をアドバイスしてくれます。病院、高齢者や障害者・児童用の施設、学校、地域支援センターなどに在籍していて、病院では相談支援センター、医療相談室などに配置されていることが多いようです。
つらくなったときは専門家に相談する
ストレスがたまりすぎて、どうにもならないと感じたときには、精神科や精神神経科、心療内科、臨床心理士などに相談することも検討してみましょう。最近は、心のケアを専門に扱う看護師が常駐している医療施設もあります。心に抱えている不安を誰かに話すだけでも気持ちが軽くなりますし、親しい人にはなかなかいえないことも、専門家にはいいやすいという面もあるでしょう。不安や心配を人に話すのは恥ずかしい、強がっていて心の内を誰にも話せないといった人は、家族や友人よりも専門家に相談するほうが、抵抗が少ないかもしれません。精神科や精神神経科にはかかりにくい、という人はまず心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。総合病院であれば、主治医や看護師に心のケアを受けたいと相談すれば、メンタルケアが受けられるよう手配してもらえるでしょう。
最近は、がんに関係したメンタルケア専門の精神腫瘍科を設置したり、心のケアだけでなく、症状についても対応する緩和ケアチームを設置したりしている病院もあります。
薬物療法が効果的なこともある
専門家による治療は、話を聞いて問題点を整理したり、心を落ち着けたりするためにカウンセリングが行われます。患者さんは専門家と話をし、がんへの理解を深めることで、不安や心配がやわらぐことがあります。
必要がある場合には、睡眠導入薬や抗不安薬、抗うつ薬などの薬が処方されます。これらの薬は、脳の神経伝達物質に働きかけます。大きすぎるストレスを受けたときには、脳の神経伝達物質が乱れてしまっていることがあります。
これらの薬は、バランスが崩れた神経伝達物質に作用して、落ち込みや不安などをやわらげます。薬にはさまざまな種類があるので、副作用に配慮し、体質に合ったものを選ぶことが大切です。薬をのんでいて気になる症状が出てきたときには、すぐに申し出ましょう。
PICKUP:がんと免疫の深い関係
健康な人でも体内では、1日に約5000個の細胞が“がん化”していると言われています。しかし全ての人ががんになるわけではありません。それは、風邪のときと同様に、私たちの体に生まれつき備わっている免疫の力によって、がん細胞を排除する機能がきちんとはたらいているからです。
しかし、細胞のなかにある遺伝子が何らかの影響で傷ついてしまい、修復できなくなるとがん細胞へと変化していきます。免疫の力が正常に働いている場合は、がん細胞が増えることはありませんが、免疫力が弱まったり、加齢などによって衰えたりすると、がん細胞の増殖を抑えることができずに、がんが大きくなって正常な細胞の働きを阻害するようになっていくのです。
そこで、免疫の力を強化することでがん細胞を抑えようとする最先端の治療が開発されています。これらは「がん免疫療法」と呼ばれ、すでに実地医療として行われています。最近では手術や抗がん剤、放射線治療に次ぐ第4の治療として、注目を集めています。



