がんとつきあう
生活の質を高める食事
生命活動の源は食事で摂取する
からだを動かしたり、ものを考えたり、体温を維持したり、生命活動を維持するためのエネルギーは、食事によって体内に取り込まれています。つまり、体力を維持するためには、栄養バランスのとれた食事をとることが欠かせません。また、食べられるものであればなんでもいいというわけでもありません。加工食品に含まれている食品添加物、野菜を育てるときに使用する農薬など、食べ物のなかには、がんを促すものもあります。治療中はそうしたリスクをできるだけ減らすため、加工食品をなるべく避けて、旬の新鮮な野菜や魚介類を中心にとるとよいといわれています。できれば野菜は低・無農薬で育てたものが理想ですが、そうした野菜は価格が高かったり、手に入れにくかったりするので、無理のない範囲で調整しましょう。
栄養不足に陥らないようにする
もうひとつ大切なことは、栄養不足に陥らないようにすることです。がん治療中は食欲低下、口内炎、摂食嚥下障害などさまざまな要因で、食事が十分にできなくなり、やせてしまうことがあります。やせてしまうと体力が低下して、免疫力まで落ちてしまうので、できるだけ食事で栄養をとり、体重が減らないように気をつけましょう。体重がかなり減ってきたときは主治医に相談しましょう。点滴、PEG療法などの選択もあります。
食べる楽しみを大事にしよう
食事は栄養補給のためだけではありません。おいしいものを食べたり、自分の好きなものを食べることで、ほっとしたり、気持ちが嬉しくなったりします。QOL(クオリティオブライフ/生活の質)に配慮し、患者さんが好きなものを楽しむ(食べる)ことを忘れないようにしましょう。緩和ケアでは、消化・吸収が低下しているため食事が流動食になって食べた気がしない、義務感で食べるのはむなしいなど、食事の楽しみをおざなりにしていることがあります。食事は楽しみや喜びを感じる大切な要素です。患者さんが何を食べたいのか、何を欲しているのかを察知して、喜ばれる食事を提供することを忘れないようにしてください。
PICKUP:がんと免疫の深い関係
健康な人でも体内では、1日に約5000個の細胞が“がん化”していると言われています。しかし全ての人ががんになるわけではありません。それは、風邪のときと同様に、私たちの体に生まれつき備わっている免疫の力によって、がん細胞を排除する機能がきちんとはたらいているからです。
しかし、細胞のなかにある遺伝子が何らかの影響で傷ついてしまい、修復できなくなるとがん細胞へと変化していきます。免疫の力が正常に働いている場合は、がん細胞が増えることはありませんが、免疫力が弱まったり、加齢などによって衰えたりすると、がん細胞の増殖を抑えることができずに、がんが大きくなって正常な細胞の働きを阻害するようになっていくのです。
そこで、免疫の力を強化することでがん細胞を抑えようとする最先端の治療が開発されています。これらは「がん免疫療法」と呼ばれ、すでに実地医療として行われています。最近では手術や抗がん剤、放射線治療に次ぐ第4の治療として、注目を集めています。



