がんとつきあう
医師や看護師とのコミュニケーション
医療用語について知識をつけておこう
国立がん研究センターが患者さんに行った調査によると、回答者の半数以上が「医師や看護師とのコミュニケーションがうまくいかない」と感じているそうです。医師の説明は難解で、最初はさっぱりわからなかったという患者さんの声を聞きます。医療現場には、がんが周囲に広がることを「浸潤(しんじゅん)」、症状が落ち着いて安定した状態を「寛解(かんかい)」、逆に悪化することを「増悪(ぞうあく)」、新薬の開発のため人でその効果や安全性を調べることを「治験(ちけん)」など、一般には耳にしない専門的な用語がたくさんあります。最近は、医療者側がインフォームドコンセント(患者さんが正しい情報を得たうえで治療に同意すること)に配慮するようになってきていますが、まだまだ十分とはいえません。ただ、患者さん側にもできることがあります。
病気への知識がまったくない状態で説明を受けてしまうと、コミュニケーションは難しくなります。医療用語についての知識があれば、医師の話に対する理解度はかなり違ってくるでしょう。医療者が患者さんにわかりやすく説明することはもちろん大切ですが、がんと診断されたら、自分のがんの種類、どんな治療があるのかなど、書籍やインターネットなどで情報を集めておくことも大切です。
主治医との信頼関係が大切
主治医とは患者さんを担当する医師のことで、担当医とも呼ばれます。複数の医師がチームで治療を行っている場合には中心的な存在になります。患者さんにとって、主治医とのコミュニケーションがうまくとれるかどうかは、治療に大きな影響を与えるでしょう。信頼できる医師と二人三脚で治療にあたることが理想ですが、なかには主治医の対応に傷つき、医療不信に陥ってしまったという話も聞きます。医療者の配慮に欠ける言葉や態度はもちろん改めるべきことです。ただ、医師だって人間です。
患者さんの対応によってコミュニケーションがとりやすくなり、信頼関係が生まれることもあります。主治医に対して、横柄な態度をとったり、治療について疑ってかかったり、信用していない態度をとったりしていると、いい印象を与えません。もちろん、医師に過分に気を遣う必要はありませんが、こちらがマイナスの気持ちで接していると、それが相手に伝わってしまうこともあります。偏った知識による思い込みを捨て、素直に主治医の説明を受けてみてはいかがでしょうか。
質問しにくいときの対処法
説明を受けるときには、メモをとりましょう。わかりにくい言葉はその場で質問して、説明を受けることもできます。主治医に聞きにくい場合には、看護師さんに聞いてもいいでしょう。わからないまますませてしまっては、自分のがんの状態や治療についての正確な情報を理解することができません。難しい、めんどうだと感じられるかもしれませんが、医師任せにせず、きちんと理解することが大切です。
PICKUP:がんと免疫の深い関係
健康な人でも体内では、1日に約5000個の細胞が“がん化”していると言われています。しかし全ての人ががんになるわけではありません。それは、風邪のときと同様に、私たちの体に生まれつき備わっている免疫の力によって、がん細胞を排除する機能がきちんとはたらいているからです。
しかし、細胞のなかにある遺伝子が何らかの影響で傷ついてしまい、修復できなくなるとがん細胞へと変化していきます。免疫の力が正常に働いている場合は、がん細胞が増えることはありませんが、免疫力が弱まったり、加齢などによって衰えたりすると、がん細胞の増殖を抑えることができずに、がんが大きくなって正常な細胞の働きを阻害するようになっていくのです。
そこで、免疫の力を強化することでがん細胞を抑えようとする最先端の治療が開発されています。これらは「がん免疫療法」と呼ばれ、すでに実地医療として行われています。最近では手術や抗がん剤、放射線治療に次ぐ第4の治療として、注目を集めています。




