各種がん「腎臓癌」の症状と治療
ここでは腎臓癌の手術の仕方、手術以外の治療方法などについて、わかりやすく解説します。
腎臓癌の治療
腎臓癌の場合、手術できるケースは手術するのが基本の治療です。腎全摘術は、古くから行われている方法で、腎臓全体とその周囲の脂肪組織、副腎ごと完全に摘出する治療です。大血管周囲にあるリンパ節も、摘出します。5年後生存率が90%以上と高く、確実な手術です。
腎臓をひとつ取ってしまうので、転移のリスクは減りますが、将来、腎機能が低下することが問題になります。残した腎臓は、2個分の仕事をするために少し大きくなり、役割を果たそうとします。
腎臓癌の腎温存手術
腎臓癌は、最近は約4cm以下のがんであれば部分切除術が一般的で、残った腎臓の負担を軽くすることで術後に慢性腎臓病を起こす危険性を減らします。この場合、検査では見つけられない小さながんが転移する可能性がありますが、腎臓癌の進行は比較的遅いので、CTなどの定期的な検査を怠らなければ、手遅れになることはありません。
腎臓癌の開放手術と腹腔鏡下手術について
腎臓癌の腎臓全摘術は、腹腔鏡(内視鏡の一種)手術が行われています。開腹手術では、約20~30cmと大きく切開しなければなりませんが、腹腔鏡下手術は3~5本の直径5~12mmの筒を通してカメラ、鉗子、ハサミを体内に入れて行う手術で、患者さんへの負担が少なく、術後の傷の痛みも大きく改善しました。
しかし、部分摘出術は複雑なので開腹術が一般的です。また、腎臓癌のがん細胞が大きい場合は手術前に、がんに血液が流れ込まないように血管をせき止める「動脈塞栓術」が行われることもあります。
腎臓癌の進行がんでは分子標的薬の登場で治療方法が激変
進行・再発腎癌については放射線治療や抗がん剤治療があまり効かなかったため、インターフェロンを使った免疫療法が行われていました。しかし、2008年に分子標的薬のソラフェニブとスニチニブ、そして2010年にエベロリムスとテムシロリムスが承認され、治療方法が大きく変わりました。この4つの薬は、がんにのびる血管の新生を阻止し、がん細胞を兵糧攻めにする薬です。いずれもインターフェロンより良い治療成績が得られています。
以前、腎臓癌は難治がんのひとつでしたが、今後はがんの種類と患者さんの年齢、全身状態に応じインターフェロンと分子標的薬を使い分けながら長期生存を目指すことができるようになりました。
副作用は下痢、口内炎など
ソラフェニブ、スニチニブの副作用は高血圧や下痢、エベロリムスとテムシロリムスの副作用は口内炎や間質性肺炎、そして感染症にかかりやすいことなどです。いずれも軽度なものですが、投薬中に気になる症状が出た場合は、すみやかに主治医に相談してください。
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