各種がん「脂肪肉腫」の症状と治療

ここでは、肪肉腫の進行の過程、それに伴った治療の方法について、わかりやすく解説します。

脂肪肉腫の治療

脂肪肉腫は、悪性度転移の有無で治療方針が決定されます。放射線治療抗がん薬単独での治療効果は確認されていないので、手術によるがん摘出が必要です。手術の仕方や、手術に抗がん薬を併用するかは、顕微鏡の所見や転移の有無によってトータルに判断します。

悪性度が低く、小さいがんは手術が第1選択です

腫瘍細胞の悪性度が低く、まだ小さくて転移を起こしていない場合は、周辺の組織を大きく切り取る広範切除術が行われます。再発の確率をより少なくするために、肉腫の手術をする場合、腫瘍のまわりの正常な組織をもいっしょに切除するのが原則です。そのため血管や神経、そして皮膚を大きく切り取る必要があり、術後に再建術が行われることがあります。

しかし、最近では悪性度の低い高分化型脂肪肉腫については、より患者さんの体への負担を少なくするために縮小手術を行うこともあります。

悪性度が高い、深い、大きい場合は化学療法を組み合わせて

悪性度が高く、肉腫が深いところにある、大きいなどの条件が重なっている場合は転移の有無に関わらず、手術前に抗がん剤治療を行い、手術後にも転移、再発予防のために抗がん剤を再度投与します。これは全身の精密検査をして、放射線診断学的に転移がないと考えられる場合でも、小さな悪性の細胞が体内のどこかに潜んでいる可能性が否定できないからです。

脂肪肉腫で悪性度が高いタイプはどれも肺転移を起こしやすく、それが経過を左右します。悪性度が高い肉腫が5年生存率は約30~50%、脂肪肉腫全体の5年生存率は約7割前後といわれています。

温熱療法(ハイパーサーミア)や免疫療法の試みも

脂肪肉腫は症例数がすくないため、標準的な治療法の確立が遅れています。一般に手術、抗がん剤治療が行われていますが、一部では腫瘍細胞が42度以上で死滅し始めることを利用した「温熱療法(ハイパーサーミア)」免疫療法が試みられています。温熱療法は1960年代ごろより本格的な研究がはじましたが、現時点では研究段階の治療で標準的治療とはいえません。しかし通常の治療では治すことが困難な局所進行がんや再発がんなどに対して、主に症状を緩和することを目的とした試験的治療です。これは化学療法や放射線療法、外科手術との併用療法として臨床試験などが行われています。

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