各種がん「成人T細胞白血病」の症状と治療
ここでは、成人T細胞白血病の種類、それぞれの治療方法について、わかりやすく解説します。
成人T細胞白血病(ATL)の治療
成人T細胞白血病は白血病細胞の数や自覚症状、血液検査の結果から、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類されます。このうち、「急性型」と「リンパ腫型」、そして「慢性型」と「くするぶり型」の2種類に大別し、治療方法を分けています。
成人T細胞白血病(ATL)の「くすぶり型」と「慢性型」治療
成人T細胞白血病の「慢性型」と「くするぶり型」は成人T細胞白血病そのものに対する治療は行わず、感染症の症状を緩和する補助療法が行われます。しかし、くすぶり型に分類されても皮膚型ATLLと呼ばれるタイプあり、これは皮膚科的な治療を施します。
この皮膚型成人T細胞白血病リンパ腫(皮膚型ATLL)は、皮膚紅斑丘疹(ひふこうはんきゅうしん)型、皮膚腫瘤(ひふしゅりゅう)型の2種類があります。紅斑丘疹型はくすぶり型ATLL、腫瘤型はリンパ腫型ATLLにそれぞれ似ていています。
皮膚紅斑丘疹型ATLLには、副腎皮質ステロイドホルモン軟膏、紫外線治療、電子線治療、放射線治療、インターフェロン投与などの治療を行います。他方、皮膚腫瘤型ATLLは、急性型、リンパ腫型ATLLと同じような、強力な化学療法をしなければなりません。また、腎臓の機能が低下したり、検査値の結果が極めて悪い場合は抗がん剤治療を行うこともあります。
成人T細胞白血病(ATL)の急性型とリンパ腫型治療
成人T細胞白血病の「急性型」と「リンパ腫型」については急激に進行するため、すぐに入院して抗がん剤による薬物療法を行います。成人T細胞白血病の抗がん剤治療は、インターフェロン、ジドブジン併用療法や、シクロフォスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンを組み合わせた「CHOP療法」など複数の治療方法が行われています。
成人T細胞白血病は難治がんの代表であり、血液中からがん化した細胞が消失する完全寛解率は約16~41%、その後、再燃(再発)を経て、5年生存率は約10~15%以下といわれています。
造血幹細胞移植の成果は
成人T細胞白血病でも造血幹細胞移植、すなわち骨髄移植は試みられてきましたが、結論からいうとあまり結果は思わしくありません。自家造血幹細胞移植(家族から提供)の場合でも、同種造血幹細胞移植(血縁関係のない方から提供)の場合でも、HLAの一致度は完全一致が望まれます。最近、臍帯血移植の実施例が急速に増加していますが、ATLLに対する臍帯血移植の成績報告はほとんどないのが現状です。
新しい抗体医薬品の申請で、希望の光も
成人T細胞白血病は極めて厳しいがんですが、分子標的薬や抗体医薬品など最先端の薬物療法の研究も進んでいます。2011年4月にはがん表面のタンパク質に結合して免疫細胞の働きを誘導し、がん細胞を破壊する「抗体医薬品」が承認申請されました(希少疾病用医薬品指定)。同薬剤の奏功率は50%、平均無憎悪生存期間は158日でした。現在、申請と並行して抗がん剤との併用療法の試験が始まっています。
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