「慢性・急性リンパ性白血病」の症状と治療

ここでは慢性リンパ性白血病と、急性リンパ性白血病、それぞれの治療の仕方についてわかりやすく解説します。

慢性リンパ性白血病と急性リンパ性白血病の治療

急性リンパ性白血病(ALL)の治療は主に、抗がん剤を用いた化学療法、そして造血幹細胞移植(骨髄移植)です。状況にによっては放射線療法を行うこともありますが、治療の基本となるのは化学療法で、それだけで改善が見られない場合に骨髄移植などが選択されます。

他方、慢性リンパ性白血病は完治の困難な病気ですが、治療をしなくても日常生活に特に支障が出ないまま一生を過ごす方もいます。治療はの目的は症状の改善と、生存期間の延長です。

急性リンパ性白血病(ALL)はまず寛解導入療法で

急性リンパ性白血病 急性リンパ性白血病の治療はまず、白血病細胞がほぼ消失した状態である「寛解」を目指す寛解導入療法の後、寛解をできるだけ長く維持するため「地固め療法」骨髄中の白血病細胞が約5%以下、さらには高精度の検査でも白血病細胞を検出できない「完全寛解」の状態を目指します。

「寛解導入療法」ではシクロスフォミド、ダウノルビシンなど複数の抗がん剤を組み合わせる「多剤併用療法」が基本です。「地固め療法」ではシタラビン、ミトキサントロンなど強い抗がん剤を使った濃厚な治療が行われます。患者さんの負担も相当ですが、寛解率は9割と治療成績は良好です。

がん遺伝子のフィラデルフィア染色体陽性ALLには分子標的薬を

急性リンパ性白血病の患者さんの約2割はフィラデルフィア染色体という「がん遺伝子」を持っています。2000年に登場した分子標的薬のイマチニブは、このがん遺伝子がつくるがん増殖タンパク質の働きをブロックし、白血病細胞を抑える効き目があります。急性リンパ性白血病の治療ではイマチニブと従来の抗がん剤を併用することで、良い治療成績が得られています。

慢性リンパ性白血病は経過観察を行い、治療もマイルドが基本です

慢性リンパ性白血病は進行が緩やかなこと、高齢者に多いことの2点から、症状が現れていない間は積極的な治療は行われません。

治療を行うガイドラインは、過去6ヶ月間で10%以上の体重減少した場合、仕事不可能、通常の日常生活に支障をきたすほどの倦怠感がある場合、38度以上の熱が2週間続く場合、感染症がないのに寝汗をかくなど、どれかひとつが現れたときです。しかし、染色体11番17番に異常がある、血中の主要要素の数値に異常があるなどの場合は、生存期間を延ばすためには上記症状がなくても治療をはじめるべきです。

一旦、リンパ節や脾臓の腫れなどが生じた際は、まず抗がん剤を使った寛解導入療法が行われます。それも急性リンパ性白血病のように濃厚な治療ではなく、あくまでもマイルドな治療です。このほか、臓器の腫れがひどい場合は放射線をあてて症状を緩和することがあります。

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