各種がん「慢性・急性骨髄性白血病」の症状と治療

ここでは、慢性骨髄性白血病と急性骨髄性白血病の治療のちがいについて、わかりやすく解説します。

慢性骨髄性白血病・急性骨髄性白血病の治療

急性骨髄性白血病は、まず治療以前に1~10兆個ある白血病細胞を、抗がん剤で約10億個まで減らす寛解導入療法を行います。その後、寛解(病気の細胞がほぼ消失した状態)を維持するため「地固め療法」を行い、骨髄中の白血病細胞が約5%以下、さらには高精度の検査でも白血病細胞を検出できない「完全寛解」の状態を目指します。

急性骨髄性白血病の寛解導入率は約80%

急性骨髄性白血病急性骨髄性白血病の寛解導入療法ではシタラビンダウノルビシン、あるいはイダルビシンが使われます。「地固め療法」の代表は造血幹細胞移植ですが、シタラビンを大量に投与して代替することもあります。

また特殊な遺伝子変異を持つタイプの急性前骨髄球性白血病では、寛解導入療法にレチノイン酸というビタミンAの誘導体を使い、地固め療法ではレチノイン酸を間をおいて続けるほか、6-メルカプトプリンメトトレキサートを投与します。

急性骨髄性白血病の寛解導入率は、約80%です。しかし寛解した後再発することがあるため、化学療法による長期生存率は、約40%となります。

急性骨髄性白血病の造血幹細胞移植とは

急性骨髄性白血病の造血幹細胞移植という治療がありますが、これはいわゆる骨髄移植です。50歳以下のドナーを見つけなければなりませんが、HLA型の合う兄弟姉妹から、または骨髄バンクに登録し、同型の提供者からもらうことになります。兄弟でHLA型が合う確率は、1/4です。

また最近CMでもよく見られる臍帯血も移植の対象で、HLA型が広く患者の負担が小さい治療となります。

造血幹細胞移植の手順

急性骨髄性白血病の移植の前には前処置として、大量の抗がん剤と放射線治療で、白血病幹細胞などを死滅させます。これは患者さんに大きな負担となるので、高齢者や合併症を起こした患者さんには前治療を弱くした治療法が開発されいます。

1週間ほどかけて前処理を終了し、輸血の要領で骨髄を移植します。他人からの同種移植の場合は、移植の免疫反応を予防するため免疫抑制剤を使用します。自家移植の場合(兄弟姉妹からもらった場合)には、この免疫抑制剤は必要ありません。

慢性骨髄性白血病(CML)の治療は分子標的薬が主役です

慢性骨髄性白血病の治療は、分子標的薬のイマチニブの登場で大きく変わりました。慢性骨髄性白血病の患者さんの約95%は、フィラデルフィア染色体と呼ばれる白血病遺伝子を持っています。そしてイマチニブは、この遺伝子がつくるがん細胞を増やすタンパク質の働きをブロックします。

その効果は絶大で、イマチニブ以前の治療法では約14%しか効果が上げられなかったのに対し、1年目で約76%、5年では約98%の患者さんが支障なく日常を送るまでに回復するとされています。

慢性骨髄性白血病治療の分子標的薬独特の副作用に注意

比較的、副作用が少ないとされる分子標的薬ですが、イマチニブでは顔や足のむくみ、湿疹のほか、骨髄の働きが低下し貧血や発熱、出血傾向が生じることがあります。この場合は治療を一時中断するなどして、様子をみます。

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