各種がん「骨肉腫」の症状と治療
ここでは、骨肉腫の進行の過程、それに伴った治療の方法についてわかりやすく解説します。
骨肉腫の治療
かつて悪性骨肉腫の生存率は約1割以下という極めて悪いものでしたが、近年は抗がん剤治療の進歩で生存率が約70%以上に改善しました。これほどの成果をあげたがん治療は、ほかにはありません。今では手足を切断するような残酷な治療も少なくなり、患者の以上90%が手足を残せるようになりました。昔は切断したうえに命を落とした、という例も少なくなかったのです。
悪性骨肉腫はまず、抗がん剤治療—手術—再び抗がん剤治療で
骨肉腫の治療は、抗がん剤治療と外科手術の組み合わせがカギとなります。まず、手術しやすい大きさに骨肉腫を小さくするため、複数の抗がん剤を組み合わせて数ヶ月間の抗がん剤治療を行います。これは、転移した目に見えないがんを消滅させる効果もあります。
その後、手術で病巣と周辺組織を切り取ります。さらに、術後はさらに数ヶ月間、抗がん剤を投与して取りきれなかったがん細胞を殺し、再発を予防します。もし再発してしまっても、強力な抗がん剤で治療します。
この抗がん剤治療→手術→抗がん剤治療という手順が主流となり、重要です。これによって、生存率がぐっと上がるようになったのです。
手術後は骨や人工関節をつかって、骨の再建術を行います
手術後は自分の骨や第三者の骨(事故死した方の保存骨を使います)と人工関節を移植する再建術が行われます。一部施設の先進医療では切除した骨をマイナス196度の液体窒素で処理して腫瘍細胞を凍死させ、解凍した骨を切除した部分に戻し、足りない部分を人口関節や金属で補う「自家液体窒素処理骨移植」が試みられています。ちょっと怖いような気もしますが、解凍後、腫瘍細胞は死滅してしまいまいます。一方、正常細胞は再生能力を取り戻すばかりでなく、わずかに残る腫瘍細胞に対する免疫力が高まることも知られています。
悪性骨肉腫における放射線治療の位置づけ
がんに放射線を当てて、肉腫を死滅させる方法が放射線治療です。残念ながら、骨肉腫にはあまり成果をあげていないので、広範囲に切除できない患者に向けて、または術後の補佐的な意味で行われることがあります。しかし、特殊な放射線治療として、次にご紹介する重粒子(炭素)線による悪性骨軟部腫瘍の治療は別です。
重粒子線治療や放射線の内部照射(小線源療法)も効果をあげています
手足の骨ではなく骨盤や脊椎にできる悪性骨肉腫は手術が難しいため、ピンポイントで治療ができる重粒子線をつかった先進医療が成果をあげています。重粒子線治療は病巣部に線量を集中させ、まわりにある正常組織の障害を少なくすることができます。通常の放射線治療に比べ、大きな線量を安全にがんの患部にかけることができるのが特徴です。また、通常の放射線治療では効果の少ない骨肉腫の腫瘍組織に対しても、優れた抗腫瘍効果を示しています。
このほか、手術時にチューブにいれた放射性物質を挿入し、体の内部から放射線をあてる内部照射法も試みられています。
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PICKUP:標準治療その先に(第4のがん治療)
がんと診断された時には、「すでに手術が行えない」「転移を起こしている」といったことが多々あります。そうした場合、抗がん剤や放射線が効きにくく非常に治療が難しいとされているのです。
そこで、現在注目されているのが「免疫療法」。
免疫治療は、手術・抗がん剤・放射線治療といった今受けている標準治療に加えることで、治療効果が期待できるため、「第4のがん治療」として注目されています。
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