各種がん「悪性中皮腫」の症状と治療
ここでは悪性中皮腫の各ステージの状態、それに伴った治療の方法について、わかりやすく解説します。
悪性中皮腫の治療
悪性中皮腫は進行スピードが速く、治癒が難しいがんのひとつです。腫瘍が胸膜に限定される早期でも、5年の生存率はおよそ1割以下です。遠くの臓器に転移があった場合、約1年の生存率はおよそ50%以下といわれています。
悪性の中皮腫は治療が難しいがんのひとつです
悪性胸膜中皮腫は、4つの病期に分けられています。
Ⅰ期は、片側の胸腔内にとどまっている状態。Ⅱ期は、胸壁、心臓、食道、大血管、反対側の胸膜まで進んだ状態。Ⅲ期は、両側の胸腔、心臓、食道、大血管、反対側の胸膜と胸腔外のリンパ節まで広がった状態。Ⅳ期は、血行性の転移を伴っている状態です。
胸膜にとどまり、リンパ節転移がないケースでは手術が第1選択
Ⅰ期のがん細胞が胸膜にとどまり、かつリンパ節転移が認められない場合は、胸膜と腫瘍がある側の肺を切除する手術が第1選択になります。
しかし、右側に病変があると手術後の呼吸機能が著しく落ちるため、全身状態や年齢によっては手術ができない場合もあります。術後はがん細胞の取りこぼしと再発を防ぐために、放射線治療や抗がん剤治療が追加されます。
また胸水がたくさん溜まって、呼吸が困難な場合には、管(ドレーン)を胸の中に挿入して、胸水を体外へ排出するようにして呼吸を楽にします。胸水が再び溜まらないように、この管を通して胸膜癒着剤と呼ばれる薬などを投与することもあります。
手術不能の場合は、放射線と抗がん剤治療を組み合わせで
全身状態が悪く手術ができないケースや、すでに遠くの臓器にがんが転移している場合は、抗がん剤による全身療法が行われます。現在はシスプラチンとペメトレキセドの併用療法が主流です。しかし広範囲に進展し切除が困難な場合には、治癒はたいへん難しく、全身状態や患者さんの希望をふまえて、抗がん剤による化学療法を行うか、それとも症状を緩和する対症療法(緩和ケア)を行うかを決定します。
悪性中皮腫と闘う集学的治療法
極めて悪性度が高い悪性中皮腫と闘うには、すべての治療法を総動員する集学的治療が欠かせません。全身状態と体力が許すならば、術前に抗がん剤を投与した上で肺と胸膜を切除し、さらに放射線をあてて完全にがん細胞を死滅させる方法が採られることもあります。
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