診断
遺伝子(DNA)検査
手術後に行われる薬物療法
浸潤性の乳がんは、外科手術後も微小ながん細胞が残っている可能性があり、再発や転移が起こりやすいとされます。そのため、手術後に補助療法として薬物治療が行われるケースが少なくありません。
この治療は、抗がん剤、ホルモン療法、分子標的薬ハーセプチンを単独か組み合わせて投与されます。
遺伝子検査で術後の再発や転移を予測
しかし、術後の再発や転移が実際に起こるかどうか、じつはよくわかりません。それを予防する名目で、抗がん剤、ホルモン療法、分子標的薬といった治療を行うことは、患者さんに大きな負担や苦痛を与え、QOL(生活の質)を大幅に低下させる可能性があります。
そこで考案されたのが、遺伝子検査によって術後補助療法をどう選択するか、判断する方法です。患者さんのがん組織の遺伝子を検査して、術後の再発や転移を予測することができるとされています。この考えにもとづいて、オンコタイプDXとマンマプリントが開発されました。
エビデンスはまだ不十分
遺伝子検査に、乳がん専門家の多くも期待しています。米国包括がんネットワークの『乳がん診療ガイドライン』も一定の有用性を認めています。日本人への有効性も検証され、一定の効果が確認できたと報告されています。ただしまだエビデンス(証拠)は不十分で、米国包括がんネットワーク内でも、大きな見解の相違はないけれども、統一した合意も形成されていないとしています。
がん体質を遺伝子で診断
がんにかかりやすい体質かどうかを調べる遺伝子診断の研究も進められています。複数種類のがん抑制遺伝子を1つの細胞につきそれぞれ2個を1セットとして、人は備えています。しかしながら遺伝的変異のため生まれつき1セット2個のがん抑制遺伝子のうち1個、すなわち片方しか働かない人がいます。この人たちは、がん抑制遺伝子が1セット2個のがん抑制遺伝子が両方働く人たちよりもがんにかかりやすい可能性があります。
この体質かどうかを調べるのが、がん体質の遺伝子診断です。



