最先端がん治療

先進医療と高度医療評価制度

先進医療で混合診療が可能に

わが国では保険診療と自由診療を組み合わせた混合診療は原則として許されていないため、未承認の治療法を利用すると治療費の全額を自己負担しなければなりませんでした。
先進医療とは、一般の保険診療で認められた医療の水準を超えた、開発中ではあるけれども最新の先進技術に対して、厚生労働省が将来性ありと判断したものにかぎり、混合診療が認められる制度です。以前は「高度先進医療」と呼ばれていましたが、2006年に法律が改正されて新しく「先進医療」と呼ばれる制度になりました。

がん治療をはじめとする91種類が認定(2011年8月1日現在)

先進医療には91種類の技術が認定されており、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫を対象にした「造血器腫瘍細胞における薬剤耐性遺伝子産物P糖蛋白の測定」、肺がんに対する「CTガイド下気管支鏡検査」、消化器がんなどに対する「抗悪性腫瘍剤感受性検査(SDI法)」固形がんに対する「陽子線治療」など、がん治療をはじめとして、子宮、心臓、インプラント、椎間板ヘルニアなど多くの病気の治療法まで含まれています。

先進医療を実施する医療機関は一定の条件が必要

この制度を利用すると、たとえば総医療費が100万円かかり、そのうち先進医療の費用が20万円だった場合、先進医療の費用20万円は患者さんが全額負担しますが、残り80万円の診察、検査、投薬、入院料は保険適応になり、7割の56万円は保険から給付され、3割の24万円が患者さんの一部負担になります。
この制度を取り扱う医療機関は、希望する患者さんが選びやすいよう、院内の見やすい場所に、先進医療の内容や費用についてわかりやすく掲示することになっています。希望する患者さんに医療機関は事前に治療の内容や料金について説明するので、納得したうえで同意することになります。
先進医療を受ける場合も、病院にかかるときは保険診療のときと同様に被保険者証を窓口に出します。先進医療を受けると、各種の料金を記載した領収証が発行されるので、大切に保管して、所得税の医療費控除を受けるさいに利用します。先進医療を実施する医療機関については、医師は専門医が5年以上の経験を持ち、各専門医学会が認定したもの、医療機関は特定の診療科目を持ち、体制が整えられているものといった一定の条件を満たしたものが認定されています。

高度医療評価制度でも混合診療が受けられる

2008年に高度医療評価制度が導入され、高度医療に認定されたものであれば、未承認・適応外の医薬品や医療用機器による診療を、保険診療といっしょに受けることができるようになりました。
高度医療は、厚生労働省に設けられた高度医療評価会議によって、一定の安全性と有効性が認められ、実施する医療機関が条件を満たす場合に認定されます。高度医療として認められるためには、安全性と有効性についての科学的な根拠が国内外の文献などで示されているなどの条件が求められています。

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