最先端がん治療

血管内治療

血管内にカテーテルを挿入して行う治療

血管内治療とは、メスを使う外科的手法ではなく、太さ約2mmほどのカテーテルと呼ばれる細い管を鼠径部の動脈などから血管内に挿入し、カテーテルの先端を目的の臓器や部位に到達させて、治療を行う方法です。以前から、心臓や脳の病気の治療や検査に積極的に利用されてきました。こうした血管内治療ががんの治療に応用されるようになってきました。

がんを養う血管からがんを撃退する

がんの血管内治療は、肝臓がんから始められました。原発性の肝臓がんに対して、カテーテルを肝臓がんを養っている肝動脈に到達させ、抗がん剤を投与する肝動脈注入化学療法(肝動注)が1950年代から行われたのです。その後、スポンジなどをつめて肝動脈を塞栓して肝臓がんの栄養を絶つ肝動脈塞栓療法が行われました。
さらには、原発性の肝臓がんだけでなく、大腸がん、乳がん、胃がんなどから転移した転移性の肝臓がんにも肝動注が行われるようにもなりました。また、エックス線血管造影検査やマイクロカテーテルなどの技術の進歩に伴って、頭頚部がん、腎臓がん、肺・骨・腹腔内臓器・骨盤などに転移したがんに対しても、がんを養う血管を塞栓したり抗がん剤を投与したりする血管内治療が行われるようになりました。

がん縮小、QOL向上、生存期間延長が報告されている

しかし、肝動注の効果は科学的な根拠(エビデンス)が十分にあるとはいえません。手術で切除できない転移性の肝臓がんに対する全身化学療法と肝動注の治療成績を比較した海外の試験では、肝動注は全身化学療法よりもがんの縮小効果は高かったものの、生存期間は差がないという結果が出ました。
とはいえ、がんの血管療法はがんの縮小効果が得られ、症状の改善、QOL(生活の質)の向上、生存期間の延長が得られるケースも報告されています。

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