脳・神経
テモダール(一般名 テモゾロミド)
脳腫瘍の中の神経膠腫(グリオーマ)の治療薬。
カプセル剤の登場に続き注射剤の製造承認を得て、治療の選択肢が広がった。
体内に入ってから活性化し抗がん剤として変化するプロドラッグのひとつ。
分子量がきわめて小さく、血液脳関門を通過しやすい特徴をもつ。
使用されるがん
悪性神経膠腫
主な副作用
リンパ球減少42%、好中球減少42%、便秘42%、白血球減少34%など。 (製品添付文書より)
ニドラン(一般名 ニムスチン)
抗がん剤が効きにくいとされる脳腫瘍において、分子量が小さく、高い脂質溶解性をもつので、血液脳関門を通過しやすい特徴がある。
長年、脳腫瘍における第一選択として用いられてきたが、2006年にテモゾロミドが19年ぶりに脳腫瘍関連の適応を受け、新しい選択肢が広がった。
他にも消化器がん、肺がんなどの第2、第3の選択に用いられる。
使用されるがん
脳腫瘍、消化器がん(胃がん、肝臓がん、結腸・直腸がん)、肺がん、悪性リンパ腫、慢性白血病
主な副作用
白血球減少31.52%、血小板減少30.00%、嘔吐13.40%など。(製品添付文書より)
サイメリン(一般名 ラニムスチン)
骨髄腫、慢性骨髄性白血病など様々な血液腫瘍に適応がある。
分子量の少ないニトロソウレア系のアルキル化剤のひとつで、血管脳関門を通過できる特徴から脳腫瘍にも用いられる。
使用されるがん
膠芽腫、骨髄腫、悪性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板増多症
主な副作用
白血球減少22.2%、血小板減少20.6%、食欲不振10.8%、悪心・嘔吐10.1%など。(製品添付文書より)
オンコビン(一般名 ビンクリスチン)
ニチニチソウに含まれる成分から開発された植物アルカロイドに分類される抗がん剤。
細胞分裂時に染色体を移す役割を持つ微小管に作用し、抗腫瘍効果を発揮する。
白血病や悪性リンパ腫に対する多剤併用療法に用いられる。とくに小児がんに対して、よく使用されている。
使用されるがん
白血病(急性白血病、慢性白血病の急性転化時を含む) 、悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病) 、小児腫瘍(神経芽腫、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、睾丸胎児性がん、血管肉腫等)
多発性骨髄腫 ・悪性星細胞腫・乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
主な副作用
しびれ感33.2%、脱毛21.9%、下肢深部反射減弱・消失10.7%など。 (製品添付文書より)
アドリアシン(一般名 ドキソルビシン)
アントラサイクリン系の抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。抗がん剤の代表的な存在で、国内外で広く用いられている。
ドキシルと同じく一般名はドキソルビシンであるが、ドキシルは超微小カプセルに収めた状態であるのに対し、アドリアシンはドキソルビシンそのままの状態である。そのため、効能効果や副作用に違いがある。
使用されるがん
悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病)、肺がん、消化器がん(胃がん、胆のう・胆管がん、膵臓がん、肝がん、結腸がん、直腸がん等)、膀胱腫瘍、骨肉腫
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
乳がん(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)、子宮体がん(術後化学療法、転移・再発時化学療法)、悪性骨・軟部腫瘍、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)
主な副作用
脱毛61.6%、白血球減少43.4%、悪心・嘔吐42.9%、食欲不振39.7%など。 (製品添付文書より)
ピノルビン、テラルビシン(一般名 ピラルビシン)
アントラサイクリン系の抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。ダウノルビシンおよびドキソルビシン(アドリアマイシン)誘導体の化合物から開発された。
がん細胞にすみやかに取り込まれ、核酸合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する。
なお、テラルビシンには溶解補助剤にニコチン酸アミドを添加している。
使用されるがん
頭頸部がん、乳がん、胃がん、尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂・尿管腫瘍)、卵巣がん、子宮がん、急性白血病、悪性リンパ腫
主な副作用
静脈内投与時:白血球減少50.40%、血小板減少14.48%、食欲不振36.40%、悪心31.89%など。 (製品添付文書より)
ブレオ(一般名 ブレオマイシン)
日本の土壌中から分離された放線菌から作られた抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。
がん細胞内の鉄と結合して酸素を活性化させ、DNAを切断することにより、がん細胞の増殖を抑制する働きがある。
軟膏剤と注射剤がある。他の抗がん剤との副作用の重複が少ないため、併用療法に用いられることが多い。
使用されるがん
軟膏:皮膚悪性腫瘍 注射剤:皮膚がん、頭頸部がん(上顎がん、舌がん、口唇がん、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん等)、肺がん(特に原発性及び転移性扁平上皮がん)、食道がん、悪性リンパ腫、子宮頸がん、神経膠腫、甲状腺がん、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
主な副作用
(軟膏)塗布部の疼痛8.7%、発赤3.6%、皮膚炎2.2%など。
(注射剤) 皮膚の硬化・色素沈着40.6%、発熱・悪寒39.8%、脱毛29.5%、食欲不振・体重減少28.7%など。
(製品添付文書より)
ペプレオ(一般名 ペプロマイシン)
ブレオマイシンの抗腫瘍効果をもとに、肺への副作用を軽減した薬として開発された。
結果、ブレオマイシンより抗腫瘍性が高く、体組織へも高濃度に分布することが分かっている。
抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。皮膚がん、頭頸部悪性腫瘍、扁平上皮がんなどに用いられる。
使用されるがん
皮膚がん、頭頸部悪性腫瘍 (上顎がん、舌がん・その他の口腔がん、咽頭がん、喉頭がん)、肺がん(扁平上皮がん)、前立腺がん、悪性リンパ腫
主な副作用
間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状6.9%、発熱16.0%、口内炎13.0%、食欲不振12.9%、脱毛11.3%など。 (製品添付文書より)
マイトマイシン(一般名 マイトマイシンC)
日本で発見された抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。
抗生物質が抗菌薬以外に用いられた初期の代表的な薬剤である。歴史も長く、適応のがん種も多様で、広く用いられている。
使用されるがん
慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃がん、結腸・直腸がん、肺がん、膵がん、肝がん、子宮頸がん、子宮体がん、乳がん、頭頸部腫瘍、膀胱腫瘍
主な副作用
白血球減少40.2%、血小板減少24.7%、食欲不振21.8%、悪心・嘔吐15.4%、全身けん怠感5.6%など。 (製品添付文書より)
パラプラチン、カルボプラチン(一般名 カルボプラチン)
シスプラチンと同様の効果をもち、毒性の軽減を目的に開発された。がん細胞のDNA合成を阻害することで抗がん作用を発揮する。
臓器機能の低下によりシスプラチンが投与できない時に用いることができる場合がある。
同種のプラチナ製剤に分類される抗がん剤の中では、最も副作用が少ないとされる。
カルボプラチンはジュネリック製品もある。
使用されるがん
頭頸部がん、肺小細胞がん、睾丸腫瘍、卵巣がん、子宮頸がん、悪性リンパ腫、非小細胞肺がん
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍、腎芽腫)
主な副作用
嘔気・嘔吐50.45%、食欲不振45.43%、全身倦怠感18.64%、脱毛18.25%、白血球減少56.42%など。(製品添付文書より)
アクプラ(一般名 ネダプラチン)
シスプラチンの毒性を抑えることを目的に日本で開発された。
プラチナ製剤に分類される抗がん剤。プラチナ製剤は水溶性が低いが、アクプラは比較的水に溶けやすい。
シスプラチンの代わりに用いられたり、再発時のサルベージ(救済)療法として、おもに他剤と併用するが多い。
使用されるがん
頭頸部がん、肺小細胞がん、肺非小細胞がん、食道がん、膀胱がん、精巣(睾丸)腫瘍、卵巣がん、子宮頸がん
主な副作用
白血球減少49.21%、血小板減少43.00%、悪心7.25%、嘔吐4.46%など。 (製品添付文書より)
タキソテール (一般名 ドセタキセル)
イチイといわれる樹の成分から作られた抗がん剤。細胞内の微小管に結合し脱重合を阻害することでがん細胞の分裂を抑制する働きがある。タキソールと同様のタキサン系の抗がん剤。タキソールと同種の薬剤だが、抗がんスペクトラム(有効性を示す範囲や作用強度)や副作用に違いがある。
再発・転移した乳がんや、進行性の肺がんに対する化学療法として標準的に用いられている。
使用されるがん
乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん
主な副作用
食欲不振58.2%、脱毛56.7%、全身倦怠感49.6%、白血球減少80.3%など。 (製品添付文書より)



