口・のど
メソトレキセート(一般名 メトトレキサート)
長い歴史をもつ抗がん剤のひとつで、錠剤・注射剤・点滴静注液がある。
単剤での使用は白血病、絨毛性疾患に用いられる。
葉酸の代謝を阻害し、がん細胞の増殖を抑える働きがある。
乳がんにおけるCMF療法など、胃がん、膀胱がんに対して、組合せが決められている多剤併用で用いられる。
使用されるがん
(錠剤/注射剤)急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、絨毛性疾患(絨毛がん、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)、胃がんに対するメトトレキサート・フルオロウラシル交代療法、尿路上皮がんに対するM-VAC療法(点滴静注液)、肉腫(骨肉腫、軟部肉腫等)、急性白血病の中枢神経系及び睾丸への浸潤に対する寛解、悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤に対する寛解
主な副作用
(CMF療法時)嘔気・嘔吐67.7%、食欲不振58.1%、脱毛35.5%など。
(製品添付文書より)
タキソール(一般名 パクリタキセル)
イチイの樹の毒性成分から由来し、植物アルカロイドに分類される抗がん剤。細胞の骨格をなす微小管に結合し、脱重合を阻害することで、がん細胞の分裂を妨げて死滅させる働きがある。 従来の抗がん剤とは全く作用が異なるので、他の抗がん剤が効かなくなった場合や、併用して効果的に用いられる。 乳がんの術後化学療法、卵巣がんの化学療法において標準的に用いられる。 パクリタキセルはジュネリック医薬品がある。
使用されるがん
卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、子宮体がん
主な副作用
末梢神経障害37.6%、関節痛23.5%、白血球数減少48.5%、好中球数減少43.8%など。
アドリアシン(一般名 ドキソルビシン)
アントラサイクリン系の抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。抗がん剤の代表的な存在で、国内外で広く用いられている。
ドキシルと同じく一般名はドキソルビシンであるが、ドキシルは超微小カプセルに収めた状態であるのに対し、アドリアシンはドキソルビシンそのままの状態である。そのため、効能効果や副作用に違いがある。
使用されるがん
悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病)、肺がん、消化器がん(胃がん、胆のう・胆管がん、膵臓がん、肝がん、結腸がん、直腸がん等)、膀胱腫瘍、骨肉腫
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
乳がん(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)、子宮体がん(術後化学療法、転移・再発時化学療法)、悪性骨・軟部腫瘍、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)
主な副作用
脱毛61.6%、白血球減少43.4%、悪心・嘔吐42.9%、食欲不振39.7%など。 (製品添付文書より)
ブレオ(一般名 ブレオマイシン)
日本の土壌中から分離された放線菌から作られた抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。 がん細胞内の鉄と結合して酸素を活性化させ、DNAを切断することにより、がん細胞の増殖を抑制する働きがある。 軟膏剤と注射剤がある。他の抗がん剤との副作用の重複が少ないため、併用療法に用いられることが多い。
使用されるがん
軟膏:皮膚悪性腫瘍
注射剤:皮膚がん、頭頸部がん(上顎がん、舌がん、口唇がん、咽頭がん、喉頭がん、口腔がん等)、肺がん(特に原発性及び転移性扁平上皮がん)、食道がん、悪性リンパ腫、子宮頸がん、神経膠腫、甲状腺がん、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
主な副作用
(軟膏)塗布部の疼痛8.7%、発赤3.6%、皮膚炎2.2%など。
(注射剤) 皮膚の硬化・色素沈着40.6%、発熱・悪寒39.8%、脱毛29.5%、食欲不振・体重減少28.7%など。
(製品添付文書より)
ペプレオ(一般名 ペプロマイシン)
ブレオマイシンの抗腫瘍効果をもとに、肺への副作用を軽減した薬として開発された。 結果、ブレオマイシンより抗腫瘍性が高く、体組織へも高濃度に分布することが分かっている。 抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。皮膚がん、頭頸部悪性腫瘍、扁平上皮がんなどに用いられる。
使用されるがん
皮膚がん、頭頸部悪性腫瘍 (上顎がん、舌がん・その他の口腔がん、咽頭がん、喉頭がん)、肺がん(扁平上皮がん)、前立腺がん、悪性リンパ腫
主な副作用
間質性肺炎・肺線維症等の重篤な肺症状6.9%、発熱16.0%、口内炎13.0%、食欲不振12.9%、脱毛11.3%など。 (製品添付文書より)
マイトマイシン(一般名 マイトマイシンC)
日本で発見された抗がん性抗生物質に分類される抗がん剤。
抗生物質が抗菌薬以外に用いられた初期の代表的な薬剤である。歴史も長く、適応のがん種も多様で、広く用いられている。
使用されるがん
慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃がん、結腸・直腸がん、肺がん、膵がん、肝がん、子宮頸がん、子宮体がん、乳がん、頭頸部腫瘍、膀胱腫瘍
主な副作用
白血球減少40.2%、血小板減少24.7%、食欲不振21.8%、悪心・嘔吐15.4%、全身けん怠感5.6%など。
(製品添付文書より)
パラプラチン、カルボプラチン(一般名 カルボプラチン)
シスプラチンと同様の効果をもち、毒性の軽減を目的に開発された。がん細胞のDNA合成を阻害することで抗がん作用を発揮する。 臓器機能の低下によりシスプラチンが投与できない時に用いることができる場合がある。 同種のプラチナ製剤に分類される抗がん剤の中では、最も副作用が少ないとされる。 カルボプラチンはジュネリック製品もある。
使用されるがん
頭頸部がん、肺小細胞がん、睾丸腫瘍、卵巣がん、子宮頸がん、悪性リンパ腫、非小細胞肺がん
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)
主な副作用
嘔気・嘔吐50.45%、食欲不振45.43%、全身倦怠感18.64%、脱毛18.25%、白血球減少56.42%など。 (製品添付文書より)
ランダ、ブリプラチン(一般名 シスプラチン)
プラチナ製剤に分類される抗がん剤。がん細胞のDNAと結合し、がん細胞の複製を妨げ分裂・増殖を阻害する。
抗がん剤としては代表的な薬剤のひとつ。適応のがん種も多く、広く用いられる。
ジュネリック製品も多い。
なお、アイエーコール(日本化薬株式会社)の適応は肝細胞がんのみである。
使用されるがん
睾丸腫瘍、膀胱がん、腎盂・尿管腫瘍、前立腺がん、卵巣がん、頭頸部がん。非小細胞肺がん、食道がん、子宮頸がん、神経芽細胞腫、胃がん、小細胞肺がん、骨肉腫、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性胸膜中皮腫
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
悪性骨腫瘍、子宮体がん(術後化学療法、転移・再発時化学療法)、再発・難治性悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等)
主な副作用
嘔気・嘔吐74.6%、食欲不振62.2%、白血球減少36.5%、全身倦怠感34.8%、脱毛25.7%など。 (製品添付文書より)



