治療の概略

よりよく生きる緩和医療

医療で苦痛を取り除く

本来、医療は病気を治療する目的で行われるものです。しかし、がんの場合、経過によっては治療効果が望めなくなる場合もあります。治療効果が望めないからといって、医療が果たす役割がなくなるわけではありません。 死を意識せざるをえなくなった患者さんに対して、医療が果たす役割は非常に大きいものがあります。患者さんの苦痛をできるだけ取り除き、患者さんや家族の希望・意向に沿った豊かな最期を迎えられるよう、医療は最大限の努力を果たします。

痛みも眠けもない状態にコントロールする

緩和ケアで大きな比重を占めるのは苦痛の除去です末期がんの痛みは、がんそのものの浸潤によって内臓や軟部組織に起こるもの、骨転移によって起こるもの、神経の痛みなどがあります。内臓や軟部組織の痛みは持続的な疼痛となり、骨転移による痛みは特に体を動かしたときに起こり、神経の痛みは灼熱感や刺すような痛みとして現れることがあります。 このような痛みに対してはいろいろな鎮痛剤、モルヒネ、神経ブロックなどが用いられて効果を発揮します。ただし、痛みが除去できても、患者さんが眠くてしかたなく、うとうとした状態がつづくのも好ましくありません。痛みもなく、眠くもない状態にコントロールすることが大切です。

痛みを緩和して充実したときを

痛みは、心理的要因も密接に関係しています。医師から痛みのしくみや原因が説明され、医師から励まされ、病気とたたかう気持ちが維持できるとき、痛みは緩和します。気晴らしをしたり、ぼんやりしたりしているときも痛みは緩和します。 一般に、不眠、疲労、うつ状態、孤独感、不安、恐怖、怒り、悲しみなどの感情は痛みを増強し、気持ちの高揚、じゅうぶんな睡眠、気晴らしなどは痛みを軽減することがわかっています。 医療スタッフは、あらゆる知識と経験をもとに、患者さんの苦痛を取り除き、貴重な時間を患者さんと家族が過ごし、やるべきことができ、充実した豊かなときが持てるように全力で応援します。

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