がんとは何か
リンパ節転移
再発のリスクを下げるために
がんの外科手術につきものなのが「リンパ節郭清」です。リンパ節郭清とはがんが転移している可能性のあるリンパ 節を摘出することで、転移の有無を調べ、がんの進行状態を確認したり、再発のリスクを下げたりするために行われます。 よく知られているのは、腕や太ももの付け根、あごなどにあるリンパ節でしょう。リンパ節には体内に侵入した細菌やウイルス、有害物 質などが、血液中に入らないようにするフィルターのような役割があります。もちろん、がん細胞が血液に侵入するのを防ぎ、死滅させる役割も 担っています。リンパ節ですべてのがん細胞をやっつけられればいいのですが、なかには死滅できず、増殖してしまうものもあります。これを 「リンパ行性転移」、または「リンパ節転移」といいます。
リンパ節転移があると
日本では、がんの種類や進行状態に応じて、どのリンパ節郭清を行うかが定められています。かつては、「リンパ 節郭清はできるだけ広範囲に行ったほうがよい」という考え方が主流でしたが、最近では、リンパ節を取り除くことによる弊害(免疫力の低下や リンパ節浮腫など)などが考慮されるようになり、「必要がある場合だけ行ったほうがよい」という意見も出てき ました。
血液やリンパ液とともに全身に散らばるがん
がんが難しい病気なのは、手術などで切除したとしても、見えないくらい小さながんが血液やリンパ液とともに全身に散らばり
、そこでまた増殖をくり返すためです。ごく早期のがんは別にして、ほとんどの患者さんは、手術が成功したとしても転移や再発を心配しながら
、定期検査を受けています。転移や再発を防ぐのは難しいことではありますが、最近は、免疫療法/免疫細胞療法が再発・
転移予防に寄与しうるとの研究結果が報告されています。
PICKUP:がんと免疫の深い関係
健康な人でも体内では、1日に約5000個の細胞が“がん化”していると言われています。しかし全ての人ががんになるわけではありません。それは、風邪のときと同様に、私たちの体に生まれつき備わっている免疫の力によって、がん細胞を排除する機能がきちんとはたらいているからです。
しかし、細胞のなかにある遺伝子が何らかの影響で傷ついてしまい、修復できなくなるとがん細胞へと変化していきます。免疫の力が正常に働いている場合は、がん細胞が増えることはありませんが、免疫力が弱まったり、加齢などによって衰えたりすると、がん細胞の増殖を抑えることができずに、がんが大きくなって正常な細胞の働きを阻害するようになっていくのです。
そこで、免疫の力を強化することでがん細胞を抑えようとする最先端の治療が開発されています。これらは「がん免疫療法」と呼ばれ、すでに実地医療として行われています。最近では手術や抗がん剤、放射線治療に次ぐ第4の治療として、注目を集めています。



